人生詰んでるけど生きてます

東大卒で統合失調症という残念な著者が、種々雑多な物事を取り上げ、独自の観点から話題にするブログです。

統合失調症は治らない病気です


表題から

まずは僕の長年(おそらく20年近く)の統合失調症(以下、統失)体験に基づいて、統失が治るか治らないかを考えたいと思います。この場合の治ると言うのは完治と同義だと思って頂いて構いません。

最初に結論を言うと、僕は統失については、一旦かかると決して治らない病気だと考えています。少なくとも今の医学の技術的には治すのは無理だと思います。こう言うと「いや、治るよ。実際俺は完全に良くなった」と言う患者の方も出てくるでしょう。

しかしそのような方々に訊きたいのですが、皆様はそれから全く精神科や心療内科に通院していないのでしょうか。向精神薬も飲まなくて良くなったのでしょうか。答えはほぼ確実に、「の、No……」だと思います。

喩えどんなに病前の状態に近づいたとしても、あらゆる患者の方は再発予防の為に薬を飲んでいるハズです。

そして一方でよく考えてみてください。ごく普通の健康な方(健常者)は、統失発症予防の為として僅かでも精神系の薬を飲んだりしているでしょうか。断言しますが、絶対にそれはないです。

再発予防の為の薬を生涯飲まなければならないならば、それはつまり根本的な部分で統失は完治していないという事です。統失の発症要素がまだまだ残っているというわけですから。

自分自身に見る医学的仮説の正しさ

統失の要因が遺伝と環境によるものとはよく言われます。これは有名な医学的仮説ですが、僕は体験から事実だと思っています。

僕は小さい子供の頃母などの隣で寝ていると、自分の考えている事がすぐ側の母に分かってしまうのではないかと考えて恐怖していました。
これは統失患者にありがちな妄想です。

しかしその時はまだ心身ともに健康と言える状態で、現に後々の高校二年生ぐらいまでは、統失特有の脳の能力の衰退もなかったんです。実際その頃までは学業も優秀でした。しかし以降は成績も緩やかに下がり始めてきました。

つまり何が言いたいかというと、僕などの統失患者のおそらく大半は生得的に、発症しやすい何らかの要素を持っているという事です。要するに遺伝的要素ですね。

さて、もう一つの環境的要素についてですが、僕の場合、詳しくは語りたくありませんが高校の頃の諸体験が基になっています。

有名な医学的仮説に「ストレス脆弱性モデル」と言うものがあります。これにも僕は頷くばかりです。つまり、
『精神病のかかりやすさ(遺伝要素)』を多かれ少なかれ持っているヒトは、『自分にとって酷い周囲の環境(環境要素)』に晒され続けることで、程度の違いこそあれいずれ必ず発症する
というものです。これは統失だけでなく双極性障害うつ病にも当てはまるとされています。

これらの仮説が正しければ、統失をはじめとする精神病患者の方は、この世に生を受けたあと生涯病気の要素を持ち続けている、という事になります。つまりこの遺伝的要素を根本から何とかしない限り、まず完治させる事はできないと僕は思っています。

そしてそんな遺伝子操作的な事は技術的観点からも道徳的観点からも、今を含めこれから相当先の未来まで、まず不可能だと思います。どれほど上に書いたこれらの医学仮説の妥当性を説く僕でも、まだまだ現在医学では治療できる域には達していないと考えます。

それなら統失患者は絶望するしかないのでしょうか。

症状を軽減できそうな暮らし方

上で統失は遺伝要素があるから、環境と言うトリガーで一旦発症したら絶対に治らないと繰り返し書きました。

しかし、僕は信じたいのです。治す事は出来なくても軽減させる事は出来る、と。

この病気になったらまず間違いなく、発症前の時と賃金面で同じ位の仕事とか、難易度的に同じ位の勉強などは出来なくなります。それでもある程度軽減したら、簡単な仕事などなら出来るようになると僕は思いたいんです。

その為には、ベタな一般論になってしまいますが、主治医の先生の指示をよく聞いて、食事リズムや生活リズムを規則的にし(今、午前二時にブログを更新している僕が、大きな声で言える権利はないですが)、何より薬を指定された通りにしっかり飲む事が一番大事だと思います。

効かない薬があると言っても、直ぐには変えてもらわない方が吉かもしれません。精神系の薬は効果が出るのに半月以上かかるものが多いからです(実際そのように体験しています)。とは言え、薬疹が出るとか明らかに太るとか、そう言うデメリットのある薬は即変えてもらうべきだと考えます。

前に何度か医者不信のような事を書いてしまったと思いますし、確かに今の技術では統失は完全には治せないと思います。

しかしなんだかんだ言っても、精神科医は長い期間専門の厳しい教育を受けて、非常に難しい国家試験に合格している訳です。そしてその後も専門職に就いて多くの患者を診続けているし、日々アップデートされる医学についての知識をも、絶え間なく学んでいるんです

確かに医師全体には信用できない人も少なからずいるとは思いますが、少なくとも自らの主治医の精神科医の先生だけは、強く信頼しなければならない筈です。どうしても信頼出来ないなら、別の診療所の門を叩く行動も必要かもしれません。

また、作業所や就労継続支援や移行支援施設などでも構わないので、とにかく外に出て日光を浴び、現実社会の人とある程度は触れる事は大事でしょう。家に籠城したり寝続けたりしていては気分はふさぎ込む一方です。

とは言えストイックに療養に専念しても良い方向には向かわないので、趣味を楽しむ事は大事だと実感しています。統合失調症になったからと言って、興味や趣味を楽しむ権利まで奪われる事はないでしょう。

趣味に没頭すれば、その間はストレスを忘れられます。環境のストレスに晒され統失を発症した訳ですから、ストレス源から遠ざかる事は重要でしょう。

実際に僕はこの前までこのような生活を続けていたため、ある程度難しい国家資格を試験で取得できる程には、脳の能力も回復してきていました。

逃げる事の大事さ

散々述べてきましたが、自分自身にとって大きなストレスと感じる環境は統失の再悪化の最大要因です。そう言う環境からはできる限り早めに退却するべきです。

後に残った人が早々に撤退したご自身の事について、陰でコソコソ罵詈雑言を並べていたとしても気にしないで良いのではないでしょうか。

重い統失の方に「もうブラックでも仕方ないだろ、とっとと働け!」とか心ない事を言う人も多いのが現状です。

しかしそんなにブラックな環境だと、仮に働いたとしても早々に退職したりさせられたりして、より病状が悪化する事は目に見えています。実際に僕もよくそうなります。
さらに、それが行き過ぎたら社会復帰どころか、閉鎖病棟の方が身近な存在になってしまいます。

最近ではほとんど精神病の兆候を持ってなかったと思われる人でさえも、統失や双極性障害のような病気になってしまうケースが増えています。それだけブラックな環境が増えているという事でしょう。

今の年配の方で、病気の遺伝要素を全く持っていない方(少しはいるように感じます)の内には、「甘えんなよ!」の一言で済ます方もいるかも知れません。しかし甘えなさ過ぎた方が結果として、自殺してしまう惨状までも年々増えています。

仮にとても良い環境と一般的に言われていても、そこが自らにとってあまりに酷いところだと思うなら、勿体ないのは分かりますが、ストレスが溜まりすぎて発症したり悪化したりする前に、逃げの一手を打つ事は大事だと思います。

それは英断であり、臆病でも何でもないと信じています。

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